古希になった医者のブログ

現役を引退し束縛が無くなった医者の好き勝手な話です

薬の副作用

病院で患者さんに、薬を飲んでください、と言うと、副作用は有りませんか、と質問する人が時々います。あるいは、血圧の薬は飲み始めたら死ぬまで飲まなければいけないんでしょう、なんて心配する人もいます。多くの人が、口には出さなくても、薬には副作用が有るから飲まない方が良い、と思っているんでしょうね。

ところが、漢方薬は副作用が無い、とか、サプリメントは薬ではないから大丈夫、なんて思って気軽に飲む人は多いんです。それどころか、ネットで調べた外国の薬、なんてのを平気で飲む人までいるんです。医者から見ると、こっちの方がはるかに心配なんですけどね。

病院で医者が処方する薬というのは、開発されてから実際に使われるようになるまで、副作用など安全性について調べるために、多くの人を使い何回も人体実験(言葉は悪いですが理解しやすいので)を繰り返しているのです。さらに実際に使われるようになった後でも、何万人もの人に使ってもし無視できない副作用などが明らかになったら、その薬は使用中止になり回収されるのです。ちなみに漢方薬だけは、古くから使われていたという理由で、新しく造られた薬のような厳格な副作用調査はされていません。だから漢方薬で時々ビックリするような副作用が出ることが有るんですね。

ということで病院で医者が出す薬は、もし副作用が出てもその医者が責任を持って対処しますから、大丈夫です。ネットや通販で買った薬やサプリで副作用がもし出たら、誰が責任を持って対処してくれるんでしょうね。