古希になった医者のブログ

現役を引退し束縛が無くなった医者の好き勝手な話です

コロナ感染は今後どうなるだろうーその二

この一月ほどはコロナ感染者数がますます増えて、いよいよ感染の第二波が襲ってきたと不安に駈られている人も多いでしょう。ついに恐ろしいウィルスが自分の周りにも伝わってきて、人がバタバタと死んでしまい、やがて自分の身にも…なんて、でもそんなに心配する必要はないと思いますよ。

この新型コロナウィルス感染が日本に広がって6ヵ月ほどになります。初めの頃はこのウィルスに関する情報が中国から断片的に伝わってくるだけだったため、その対応は手探り状態で試行錯誤の繰り返しだったようです。これは未知のウィルス相手だったのだから、仕方なかったのでしょう。でも様々な対策を繰り返して経験も積んだ今では、どのように対処するのが適切なのか、その方向性が見えてきているのです。

まずは前回に書いたように、以前と同じような自粛要請はないと思います。それをすれば感染者数は減らせることは分かりましたが、同時に経済にも大きなダメージがあったからです。勿論このウィルス感染によって死ぬ率が高ければ(たとえば致死率が1 割とか2割だったら)そんなことは言っていられませんが…。でも幸いなこと(?)に、このウィルス感染による致死率はインフルエンザと同程度のようです。

流行が始まったころは、若くて元気そうに見える女性芸能人が感染で亡くなったことが報じられたこともあって、怖い病気だというイメージが広がりました。初めてこの病気を治療する医者は、どのように症状が変化するかどのように治療するかも分からず実際に試行錯誤だったのでしょう。でもその後は医者も経験を重ね、不十分ながら有効な薬も出来、今では重症化も防げて死亡率もそれほど高くなく出来ていると思うのです。

以前少なかったPCR検査が今は多く行われるようになりました。それもあって陽性者数は増えていますが、その多くは20~30歳代の若者なのです。そして今のところ20歳代で亡くなったのは、糖尿病だった気の毒なあの力士だけのようです。だからコロナ感染で死ぬ可能性が高いのは、インフルエンザと同じで私のような年寄りなのです。

それで若者の皆さん、このウィルスを過度に恐れず、社会生活を活発にして経済を立て立て直してください。でも流行を広げて、年寄りにうつさないで下さい。そのためには政府が示す新しい社会のルールを守って下さい。手洗いマスクなどなどです。さらに政府が提供する新型コロナウィルス接触確認アプリも活用して下さい。6割の人がダウンロードすれば流行阻止の効果が期待できるのに、まだ1割しかないようです。政府のアプリなんて情報漏れする、なんて根拠のないことを言っているのが、我々年寄りを殺す原因になるのですから。

我々年寄りは、このウィルスのワクチンが一刻も早く一般に広まるのを、ただ祈るしかできません。私はあのアプリをダウンロードしましたが、使う機会はないでしょう。アプリが有効なのは、活動が活発な若者なのですよ。