古希になった医者のブログ

現役を引退し束縛が無くなった医者の好き勝手な話です

コロナウィルスの不思議?

この頃は新型コロナウィルスの感染者数が少し減ってきたようで、第二のピークもこのまま過ぎるのかなという気がします。しかも最初の頃と比べて、感染者数の割には重症者数や死者数も少なかったようですね。これは医療側の新型コロナウィルス患者に対する治療経験が増えて、最初は手探り状態だったが今は適切な治療手順が確立されてきた証と考えてよいと思います。

しかしこれから寒くなりインフルエンザの流行る時期が来ると、コロナとインフルエンザの両方に感染するのでは…と不安になる人もいるでしょう。でもそんなに心配することもないような気がするのですが…。

2009年の新型インフルエンザのことを覚えてると思いますけど、この時の日本人はこの新しいインフルエンザウィルスにたいする抗体を全く持っていなかったため、アッという間に全国内に大流行しました。ところが後で調べてみると、この時にインフルエンザに感染した人はほぼ全員がこの新型ウィルスで、前の年まで流行していたA香港型インフルエンザウィルスなどは、この時は殆ど流行しなかったのです。不思議ですが、その理由は良く分かっていません。

これは今の日本人が新型コロナウィルスに対する抗体を持っていない状況と、よく似ているのです。楽観的かもしれませんが、また同じようなウィルスの不思議が起きて、以前からのインフルエンザは今冬に限り流行らないかもしれませんよ。

それに新型コロナウィルス感染症も、危険なのは高齢者や免疫力の落ちる病気を持っているだけのようで、それなら今までのインフルエンザ流行と変わらないわけです。

だからコロナをむやみに怖がらず、通常の生活を取り戻せるような対処を考えた方が良いですね。