救急車での救命処置を断る?
最近テレビのニュースを見てビックリしたのですが、救急車を呼んだのに病院への搬送途中で、救急隊員の救命処置はしないでくれと言う人が増えているらしいのです。想像すると、急に倒れて意識もない病人のため救急車を呼んだけれど、以前その人が自分には救命処置をしないで欲しいと言っていたのを思い出したので、ということなんでしょうか。
でも救急車の救命士はそういう処置をすることが義務付けられていますし、第一それにより蘇生する可能性だって十分あるんですから、それを断るというのは助かる可能性のある命をムザムザ捨ててしまうことになりませんか。
救命処置をしない方が良いのでは、という考え方が生まれたのは、昔はどんな病人でも機械的にそんな処置をしていたので、明らかにもう救命できないような病状のときは病人の苦しみを長引かせるだけではないか、という反省からなんです。だから救命処置を断るかは、何をしてももう命は助からないと判断したときだけ考えるべきでしょう。
しかしこの判断は専門の医者でも難しいです。それで最近の医者は、もうほぼ百パーセント助からないのではと考えたとき、家族など残される人にそれを説明してどうするか相談するようになりました。そして残される人が納得し同意したようにするのです。
急に倒れた人などは、適切な処置をすれば命が助かることも多いのですから、それをしないでくれなどと言って救命士を困らせ、大事な処置を遅らせてしまうようなことはすべきではないですね。