古希になった医者のブログ

現役を引退し束縛が無くなった医者の好き勝手な話です

新型コロナ肺炎の検査を受けたいですか?

まだまだコロナ肺炎COVID-19の流行は収まりそうもないし、テレビなどでも連日この病気についての報道が続いていますね。流行が始まったころは不安を煽るような無責任な報道も有りましたが、最近は少し落ち着いてきて、一般の人に役に立つ適切な情報も伝えられるようになった気がします。特に北海道知事が道民に伝えたことは、現時点での対処として最も適切と私は感じましたが、どう思われましたか。

その知事の話のポイントは、20歳代から40歳代くらいの若い人はこのウィルスに感染しても無症状化か軽い風邪症状程度が多いので、本人は知らずに周囲の人に移してしまうということです。だからそんな人は自宅で療養するか、外出するにしても最低限マスクをし人の密集する場所には行かないようにするべきなんです。

ところでアナタは、このウィルスに感染していないか検査を受けてみたいですか。無症状の人は、当然検査を受けるべきではないですよね。では軽い咳や鼻水などがなかなか治らない人は、どうでしょう。厚労省はそれが4日以上続いたら保健所などの相談センターに電話するように言ってます。でも電話したとしても、多分自宅療養で悪化しないか見ることなど指示されるだけで、検査はしてくれないと思います。実はそれが現時点では最も適切な指示なんですけれど、でも万一検査を受けられたとしたら、どうなると思いますか。結果は殆ど陰性となるでしょうが、万一もし陽性だったらどうしますか。アナタは隔離、周囲の濃厚接触者は何処かで待機して経過観察を受けなければなりません。でも隔離病棟に空きがなかったら、症状の軽いアナタは空くまで自宅で待機させられることになるかもしれません。結局持病も無く重症でもない若い人は、ほかの人に移さないように自宅で療養して回復を待つのが、現時点では一番良い方法なんです。

風邪気味だから検査して、ウィルスが陰性なら予定通り仕事や遊びに出かけよう、なのになぜ検査してくれないんだ、という考えは大きな間違いですよ。軽症の人は検査で陰性のことも時にあると報じられていますから。